★最近は自治体の首長や政治家、最近では官房長官秘書官もが「2人きりでいたのは事実だが疑われるようなやましいことはない」と不倫発覚後の逃げ口上が常態化して、乗り切る場合がある。倫理観や道徳が欠如している嘆かわしき事態だ。首相・高市早苗は幼いころから教育勅語を学習してきたというが、12年、自身のホームページで教育勅語について「現代においても尊重するべき正しい価値観」「この見事な教育勅語は、敗戦後のGHQ(連合国軍総司令部)占領下で廃止されてしまいました。日本が独立統治権を失っている間に壊されていったものはあまりにも大きく、政治体制、教育政策、精神文化など多岐に渡って、その影響は現在にも及び続けています」とした。

★教育勅語は1890年(明23)に明治天皇の名で発布された教育に関する勅語。忠孝や友愛、信義、礼儀、知識の涵養(かんよう)、公益への奉仕など、多岐にわたる道徳的価値を国民に求めたもの。戦前・戦中にそれを軍部が都合良く利用した。しかし戦後の民主化に個人の自由や人権抑圧につながるものはなじまないと失効した。自民党からは時折、教育勅語のいい面もあると肯定する発言が散見されるが、その急先鋒(きゅうせんぽう)は2000年、当時の首相・森喜朗だった。少年犯罪の増加の中で「教育勅語」発言があり「神道政治連盟国会議員懇談会」での「日本は天皇を中心とする神の国」発言につながる。参政党の「新日本憲法(構想案)」は「教育勅語など歴代の詔勅、愛国心、食と健康、地域の祭祀(さいし)や偉人、伝統行事は、教育において尊重しなければならない」と定めている。

★これほどまでに保守系議員は道徳をうたう教育勅語が大好きだが、政治とカネなど倫理や道徳心があるとは思えない行動で、ことに旧安倍派が圧倒的で政治不信を強めた。首相は就任時、あれほど肯定していた教育勅語を「現行憲法や教育基本法の制定により法制上の効力を喪失している」「政府としては、教育現場で活用を促す考えはない」と全面否定したが、今首相に必要なのは信義、礼儀、公益への奉仕などの倫理と道徳だ。(K)※敬称略