さいたま市児童、遺体発見現場と別の場所で殺害か

進藤遼佑君が亡くなったさいたま市見沼区の自宅(撮影・村上幸将)

18日午前0時30分ごろ、さいたま市見沼区大谷の集合住宅敷地内で、住人の市立大谷小4年の進藤遼佑君(9)の遺体が見つかった。首に絞められたような痕があった。埼玉県警は何者かに別の場所で殺害され、現場に遺棄された可能性があるとみている。県警は殺人事件と断定し、大宮東署に特別捜査班を設置。進藤君は17日午後3時すぎには下校。母親(42)が帰宅時、無職の父親(32)から塾に行ったと伝えられたが、普段の帰宅時間にもなっても戻らず、通報。県警が捜索し、遺体を発見した。

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17日午後8時20分ごろ、進藤君の母親(42)から「息子が英会話塾に出かけたまま帰らない」と110番があり、大宮東署員が捜索。進藤君一家の部屋がある2回の階段近くにあるメーターボックス内で遺体で発見された。発見時、Tシャツ、半ズボン姿で、死後数時間が経過していた。目立った外傷や着衣の乱れはなかったが、靴を履いていなかった。

進藤君は両親と3人暮らし。母親は教員で仕事から帰宅した際、無職の父親(32)から進藤君が英会話塾に行ったと伝えられたが、普段帰宅する時間を過ぎても戻らずに通報したという。実際は進藤君は英会話塾に行っていなかった。県警は両親から詳しい経緯を聴いている。

集合住宅は、JR大宮駅の東約4キロの住宅街にある、埼玉県教育委員会が管轄し、県立学校や美術館、博物館などの職員が入居する教職員住宅だという。敷地内で進藤君が何者かに襲われたり、助けを求める様子を見たとの情報は得られておらず、県警は何者かが別の場所で殺害して運び、メーターボックス内に入れたとみている。

進藤君が通っていた市立大谷小は18日午後、会見を開いた。堺数太校長は、進藤君の下校時間について「6時間(授業)ですので、担任の方で午後3時15分には1人残すことなく下校させた」と説明。児童は登校班を組んで登校し、下校時は1~3年生は登校班で下校するが、4年生以上は1人で下校しないという規則のみだという。同校長は「(進藤君も)1人では帰っていないと思う」と説明。大谷小から進藤君の自宅までは、徒歩で10分程度だった。

堺校長は、進藤君は何でも意欲的に活動する児童だった一方、保護者面談で母親から担任教諭に対し「ものをなくする傾向がある。紅白帽がなくなった」などの相談があったと明らかにした。