アベノマスク17日から配布開始 悪質商法に注意

厚生労働省から配布された布マスク(鹿児島の介護施設提供)

アベノマスクが、ついに国民に配布される。菅義偉官房長官は15日の会見で、全世帯への2枚ずつの布マスク配布を、17日から始めると明らかにした。政府は、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な地域から優先して配布するとしており、東京から順次、配布が始まる見通しだ。

マスクは依然、品不足が続いているが、布マスクの配布は1世帯2枚にとどまり、国民のマスク不足が解消される見通しはまったくない。加えて、マスク配布にかかる諸経費は466億円にものぼるだけに、「税金のむだ遣い」との指摘も出ている。菅氏は会見で、全世帯配布に先立ち、医療機関や介護施設、小中高校に配布してきたと説明。実際に配布された先では、安倍晋三首相がつけていたのと同様の小さめのマスクだったと証言が出ている。

一方、消費者庁の伊藤明子長官は15日の定例会見で、全世帯に2枚ずつ配布される予定の布マスクに便乗し、注文した覚えのないマスクなどを送り付け、代金を請求する悪質商法が横行する恐れがあるとして、注意を呼び掛けた。「国が代金を請求することは一切ない」と強調した。全国の消費生活センターなどで受け付けた新型コロナウイルス感染症関連の消費生活相談は、13日までに1万3432件で、マスクなど衛生用品の送り付けに関する内容が151件あったという。