原子炉格納容器の水位低下、13日の地震で破損か

東京電力は19日、福島第1原発1、3号機の原子炉格納容器で水位が低下傾向にあると発表した。いずれも数十センチ程度とみられ1日数センチのペースで続いている。13日に宮城、福島両県で最大震度6強を記録した地震の影響の可能性がある。溶け落ちた核燃料への注水は継続中で冷却に問題はなく、周辺の放射線量に変動はないという。

東電は今後、水位を回復させるために注水量を増やすなどの対応を検討している。東電の担当者は記者会見で「過去に注水を一時的に停止した試験でも、同程度の水位低下が起きたことはあり、外部に影響はない」と説明した。

東電によると、18日午後11時ごろに1号機で水位の低下傾向を確認し、他の号機も含めて詳しい状況を調べた。その結果、1号機では遅くとも15日から水位が下がり、通常約2メートルある水位が40~70センチ低下、3号機では地震直後から下がり、約6メートルある水位が30センチ程度下がったと判断した。

福島第1原発1~3号機は10年前の事故で燃料が溶け、格納容器などが破損した。13日の地震の揺れで破損箇所が広がり、格納容器内の水が流出する量が増えた可能性が考えられるという。(共同)