藤井聡太名人の挑戦者糸谷哲郎八段が九段昇段 竜王戦3組で鈴木大介九段を下す

糸谷哲郎九段(2026年4月撮影)

将棋の名人戦で藤井聡太名人(23)に挑戦している糸谷哲郎八段(37)が16日、九段に昇段した。同日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第39期竜王戦ランキング戦3組2回戦で鈴木大介九段に勝ち、八段昇段後250勝とした。勝ち星規定により、昇段した。

糸谷は広島県出身。広島学院高在学中の2006年(平18)4月にプロデビュー。プロ棋士養成機関「奨励会」時代から「怪物」「末はタイトル獲得候補」と呼び声が高かった。同年の新人王戦を制し、その表彰式で「将棋は斜陽産業。自分たちが何とかしなければ」と発言した。阪大文学部を卒業した後、同大大学院で哲学を学び、博士号を得ている。本業では14年には竜王を獲得しているほか、16年王座戦、21年棋王戦とタイトル戦登場経験がある。

昨年6月には日本将棋連盟の理事に就任。運営と対局の「二刀流」で、今期(第84期)の名人戦7番勝負で初めて挑戦権を獲得した。これは故大山康晴15世名人以来、40年ぶりとなる。

独創的な物言いと指し回しは「糸谷ワールド」と呼ばれる。名人戦開幕局(4月8、9日、東京都文京区「ホテル椿山荘東京」)でも前夜祭で「盤上で花を咲かせる」と話し、敗れはしたものの1筋の歩を突くという歴史的初手で周囲をあっと驚かせた。藤井名人との名人戦第2局は25、26日、青森市「ホテル青森」で行われる。