政府は15日、カフェなどの商業施設で流れるBGMの使用料を歌手やレコード会社が受け取る権利の創設を盛り込んだ著作権法改正案を閣議決定した。これまでは作詞家や作曲家にだけ分配されていたが、海外では歌手にも対価を支払うのが主流となっており、足並みをそろえることで日本の歌手の権利保護や海外進出の後押しを図る。
商業施設側は、新たな負担が生じることになる。使用料の具体額や徴収方法などの検討、国民への周知に時間が必要として、施行は公布から3年以内とする。松本洋平文部科学相は記者会見で、使用料の検討に当たり、小規模事業者の負担に配慮する考えを示した。
楽曲が流れた際に歌手らが報酬を得る権利は「レコード演奏・伝達権」と呼ばれる。1961年採択のローマ条約に盛り込まれ、欧州や韓国など142の国や地域で導入済みだが、日本は導入を見送ってきた。このため日本の曲が海外の商業施設で流れても、歌手やレコード会社は使用料を得られていなかった。
近年、日本のアニメ関連曲やJ-POPの人気が海外で高まっており、権利の導入を求める声が強いことを受け、制度を整備する。
改正案は、レコード演奏・伝達権を創設すると明記。BGM使用料の徴収と分配は文化庁長官が指定する団体が担うとした。団体は商業施設側と協議し、使用料に関する規定を定める。文化庁によると、使用料はカフェなどの店舗だけでなく、スポーツ競技やイベントの会場など、利用状況に応じて設定される。具体額は法成立後に検討される見通し。
文化審議会は、権利の導入を求めた報告書で、小規模事業者に対しては使用料の支払い免除や減額などの配慮を検討すべきだとしている。(共同)