岩手県大槌町で4月22日に発生した大規模な山林火災について、平野公三町長は29日午後1時、鎮火したと発表した。出火から38日目。延焼範囲を示す焼損面積は1633ヘクタールで、昨年の同県大船渡市の山林火災(約3370ヘクタール延焼)に次ぎ、平成以降で国内2番目の規模となった。政府は29日、「局地激甚災害(局激)」に指定すると閣議決定した。
29日午前、平野氏と消防関係者が防災ヘリコプターで上空から最終調査を実施し、再燃の恐れがなくなったと判断した。
平野氏は記者会見で「迅速で献身的な消火活動によって、延焼が食い止められた」と全国から駆け付けた消防隊員や自衛隊員に謝意を述べた。住民の生活再建や森林の復旧に関し「総力を挙げてこの逆境に立ち向かっていく」と誓った。
町や消防によると、4月22日午後、小鎚と吉里吉里の両地区周辺で発生。避難指示は最大で町の人口の3割に当たる1558世帯3257人に上った。町は消火活動に加え、降雨により安全が確保されたとして、30日までに避難指示を全て解除。5月2日、鎮圧と判断した。
最後に熱源が確認されたのは14日。消防はその後も白煙の有無や、燃え残りの状態を慎重に調べていた。
町内に住む祝田豊さん(80)は「一時は火柱が見えるほど燃えていて肝を冷やした。これで一安心。火の扱いにはこれまで以上に気を付けたい」と話した。
火災は、強風にあおられて樹木の上部を炎が伝う「樹冠火」が発生し、急速な延焼につながった可能性がある。住宅を含む8棟が焼けた。
局激の指定で、森林の災害復旧事業に関して、国が財政支援できるようになる。(共同)