伊藤匠叡王(王座=23)に2年連続で斎藤慎太郎八段(32)が挑戦して前期同様に双方2勝2敗で迎えた、将棋の第11期叡王戦5番勝負最終第5局が5月31日、千葉県柏市で行われた。午前10時から始まった対局は、相掛かりからともに1分将棋となる接戦となった。午後7時24分、117手で先手の伊藤が斎藤を下して防衛し、叡王戦3連覇を達成した。3日前の28日には、同学年の藤井聡太王位(23)への挑戦者を決める王位戦挑戦者決定戦で羽生善治九段を下し、王位初挑戦を決めたばかり。勢いに乗って叡王を防衛し、次は3冠に挑戦する。
伊藤がしぶとく抜け出した。終盤の寄せ合いから勝ち筋を見いだす。2筋に配備していた飛車がやって成り込む。「いける」と確信した。もともと、やってみたいと思っていた構想を盤上でぶつけた。「1手1手難しい将棋だと思いました。中盤が難しくてわからない部分も多かった。自分なりにうまく指せた部分もあった」と振り返った。
昨年に続いて、今シリーズも挑戦者の斎藤とフルセットまでもつれ込んだ。開幕局から連勝したが、そこから連敗。「白星先行でいけたんですけど、あと1勝が遠く、かなり大変なシリーズだった。結果が出てホッとしているというのが正直なところです」。
これで5番勝負の最終局は4戦4勝。叡王戦は、藤井8冠の一角を崩して初タイトルとなった24年から3年連続で3勝2敗としている。25年には王座戦でやはり藤井からフルセットの末にタイトルを奪っている。「持っている男」の本領を発揮してのV3だった。