藤井聡太6冠「時すでに遅しで…」伊藤匠2冠との大盤解説タッグで師匠の応援空振り

同学年の伊藤匠2冠(左)と大盤解説を行った藤井聡太6冠(右)

将棋界の8つのタイトルを分け合う藤井聡太6冠(竜王・名人・王位・棋聖・棋王・王将=23)と伊藤匠2冠(叡王・王座=23)が大盤解説で初めてタッグを組んだ。13日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた「将棋フェス2026」で藤井の師匠の杉本昌隆八段と、伊藤と同じ宮田利男八段門下の兄弟子である斎藤明日斗六段の対局をファンの前で解説した。師弟対兄弟弟子のタッグマッチという位置付け、作戦タイムを1回取って、2分間相談ができるというルールで杉本の先手で進められた。

「解説というと中立的な立場を求められますが」と言いながらも、押され気味の局面に藤井は「師匠、早くも正念場ですね」と本音をズバリ。ふだんは2人ともタイトル戦で指し手を解説される側。途中、飛車を落として「大盤を動かすのに慣れていない」と同学年の伊藤から突っ込まれると、「大盤の駒をどれだけ動かせるかで、解説力が問われている気がします」と切り返した。

先に作戦タイムを取った伊藤に対し、師匠から取るタイミングを任されていた藤井が作戦タイムの札を上げる。「もっと早く上げてよ」と師匠からボヤかれた。「正直、(局面は)苦しい気が。厳しいですね」などと突き放すと、「あと10手くらい早く使ってほしかった」と師匠から再度ボヤかれた。

結果的には、兄弟弟子コンビに敗れた。藤井は局後に「作戦タイムでも1本取られてしまいました。こちらは『時すでに遅し』で、師匠の期待に応えられず申し訳ないなと思います」と苦笑いしていた。

将棋フェスは、ファンと棋士との交流を目的として新たに企画された。指導対局だけではなく、揮毫(きごう)色紙の手渡し、ツーショット撮影会など、ライトな層のファン向けへのサービスを今回充実させていた。