米国とイラン「1日限り」協議開始へ「海峡再封鎖」で警告も米軍否定、駆け引き続く

米国とイランは21日、戦闘終結の覚書に正式署名後、初の協議をスイス中部ビュルゲンシュトックで開く。イラン側によると仲介国パキスタンとカタールを交えた4者協議になる見通しで、協議は「1日限り」と説明した。一方、イラン革命防衛隊は20日、レバノン情勢の悪化を巡り、全ての船舶にエネルギー輸送の要衝ホルムズ海峡が再び「封鎖された」と警告した。イラン軍事当局はイスラエル軍がレバノンで「停戦違反を継続し、南部からも撤退していないためだ」と主張した。米側は否定したが、双方の駆け引きが続いているもようだ。

米イランの両代表団は21日までにスイスに到着。米側はバンス副大統領、イラン側はガリバフ国会議長が率いる。対面協議が実現すれば、停戦合意後の4月にパキスタンで開かれて以来となる。

イラン外務省は、4者協議は仲介国との協議後の21日午後(日本時間同日夜~22日未明)に開くと説明。協議は「1日限り」と説明した。

17日に正式署名した覚書にはレバノンを含む全戦線での軍事作戦終結が盛り込まれている。イスラエルとレバノンの親イラン民兵組織ヒズボラは19日に停戦合意したが、その後も応酬は続いた。イラン軍事当局は海峡の再封鎖について、イスラエル軍がレバノンで「停戦違反を継続し、南部からも撤退していないためだ」と主張した。

イランのファルス通信は21日、軍事筋の話として、ホルムズ海峡は依然として閉鎖されており、追って通知があるまでイラン革命防衛隊は船舶の通航を許可しないと報じた。イランは海峡封鎖を交渉手段とし、イスラエルに攻撃停止を迫るよう米側に求めている。

トランプ大統領は20日、イランとの60日間の交渉期間中もその後も海峡で通航料は課されないとする一方、合意が成立しなければ米国が徴収する可能性があると交流サイト(SNS)で訴えた。

米側はウィットコフ和平交渉担当特使とトランプ氏の娘婿クシュナー氏もスイス入りした。イラン外務省報道官は出発に先立ち、レバノン情勢が「覚書全体を危機にさらしている」とした上で「協議の目的は覚書履行の要求だ」と強調した。

米イランは18日から60日間の交渉期間に入った。イラン核問題や制裁解除などを話し合い「戦争の完全終結」を目指すが、先行きは不透明だ。