自民党旧安倍派の政治資金パーティーを巡る裏金事件で、政治資金規正法違反(虚偽記入)の罪に問われた元参院議員大野泰正被告(67)に東京地裁は23日、罰金60万円(求刑罰金150万円)の判決を言い渡した。元政策秘書岩田佳子被告(62)は罰金20万円(求刑罰金50万円)とした。
ただ起訴対象となった政治資金収支報告書の虚偽記入のうち、2022年分のみを有罪とし、残りの18~21年分は無罪とした。
一連の事件で当時国会議員だった被告への判決は初めて。両被告は無罪を主張していた。
判決はまず、派閥から還流された販売ノルマ超過分のパーティー券収入の性質を検討。弁護側は「預かり金」で記載不要だと主張したが、福家康史裁判長は、派閥が預かり金との説明をしていなかったことなどから、寄付に当たるとした。
その上で、18~21年分は派閥から具体的な指示がなく、両被告の間で扱いについて直接のやりとりはなかったとし、虚偽記載の共謀を認定するには「合理的な疑いが残る」と指摘。一方、22年分は具体的なやりとりがあり「寄付として記載しなければならなかったと認識していた」として共謀があったと結論付けた。
判決によると、大野被告の政治団体「泰士会」の政治資金収支報告書に関し両被告は共謀、22年分の収入に旧安倍派から受領した1120万円を記載しなかった。
東京地検特捜部は、同法違反罪で計12人を立件。これまで8人が有罪とされた。大野被告側の不記載額は5年間で計約5100万円とされ、裏金受領議員で最多だった。
大野被告は、自民結党の立役者で初代副総裁を務めた大野伴睦元衆院議長の孫。全日空社員や岐阜県議などを経て13年に参院に初当選し、国土交通政務官などを歴任した。事件を受けて自民を離党し、昨年7月の参院選への出馬を断念した。(共同)