福岡県議会・中尾正幸副議長、議員辞職 混乱陳謝も現金授受は否定 ポストを巡る現金授受疑惑

福岡県議会の正副議長ポストを巡る現金授受疑惑で、支払先として名指しされた中尾正幸副議長は24日、蔵内勇夫議長に議員辞職願を提出した。辞職願は許可された。

中尾氏は記者会見で、県政の混乱を招いた責任を取るとして「大変申し訳ありませんでした」と陳謝した。現金授受については「私はお金を受け取っていない。事実無根だ」と重ねて否定した。

県議会を巡る疑惑は、副議長の議員辞職に発展した。県政への不信は高まっており、真相解明と事態収束への道筋は見通せない。

中尾氏は、自身を支払先として名指しした元議長の吉松源昭県議に対し、名誉毀損の疑いでの告訴や民事訴訟を起こす方針を明らかにした。

吉松氏が1000万円を求められた際に録音したとする音声記録について、中尾氏は14日の会見で、当初は人工知能(AI)による捏造の可能性に言及。報道陣から繰り返し追及された末に、現金授受は否定しながらも、会話をしたこと自体は大筋で認めた。24日の会見では「私の発言がぶれて信頼を損ねた。責任を痛感している」と語った。

金銭を要求されて「カツアゲ」だったと訴えている吉松氏は取材に応じ、中尾氏の辞職に対し「真相を話さずに辞めるのは、責任を取ったことにならない」と批判した。

服部誠太郎知事は「何ら事実関係は明らかにされていない。1日も早く真偽を明らかにしてほしい」とのコメントを出した。

県議会の疑惑を巡っては、共同通信のこれまでの取材に対し、吉松氏のほか、自民党会派と他会派を含む複数の正副議長経験者が現金を払ったと証言。受け取ったとされた側はいずれも否定している。

○…福岡県の服部誠太郎知事は、県幹部の親睦団体による政治資金パーティー券の組織的購入や高額な海外出張を検証するため、第三者委員会を設置する方針を表明した。これまでは内部調査を進めてきたが方針転換する。県政への不信が高まる中、服部氏は「公平な視点と透明性が必要と考えた」と述べた。検証結果が出るまでの当面の措置として、今後1年間をめどに知事や副知事の海外出張を自粛する考えも明らかにした。知事らを団長とする海外出張に関しては、5年間で計23回あり、計約3億3700万円を支出していた。

◆福岡県議会疑惑の経過

7月6日 福岡県の吉松源昭、江藤秀之両県議が他会派への根回し名目で当時の複数の自民党県議団幹部に現金を支払ったと証言。支払先として名指しされた中尾正幸副議長は否定

8日 県議会が全議員の聞き取り調査を決定

10日 吉松、江藤両県議とは別会派の元副議長が就任前に現金を払ったと証言

11日 元議長の自民党県議が就任前に現金を渡したと証言

14日 吉松氏が現金を求められた際に録音したとする音声記録について、中尾氏が大筋で認めつつ、現金授受は否定

17日 蔵内勇夫議長が自身の関与を否定

24日 中尾氏が議員辞職