原爆の日81年…長崎市長が核は「絶対悪だ」三原則堅持を 高市首相「核兵器のない世界の実現」

長崎は9日、米国による原爆投下から81年の「原爆の日」を迎えた。爆心地に近い長崎市松山町の平和公園では「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」が営まれた。鈴木史朗市長は平和宣言で核兵器は「絶対悪だ」と指摘。政府に「非核三原則を堅持し、核兵器に頼らない安全保障政策への転換を求める」と迫った。国際社会で核戦争の危険が高まっていると警鐘を鳴らした。各地で人々が「長崎を最後の被爆地に」と誓った。

高市早苗首相は式典のあいさつで「わが国は非核三原則を堅持しており、唯一の戦争被爆国の使命として、『核兵器のない世界』の実現に向けた現実的かつ実践的な取り組みを推進している」と話した。

高齢化により「被爆者なき時代」が近づく中、国際社会はロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の不安定化などで、平和や核軍縮への逆行が相次ぐ。鈴木氏は「核抑止論は極めて危うい。核兵器は『絶対悪』だ。人類と核兵器は決して共存できない」と述べた。核保有国と核抑止力に依存する国の指導者に対し「核抑止力に頼れば頼るほど、核戦争の危険も高まる」と語った。

「『長崎を最後の被爆地に』。この誓いを永遠の事実とするために歩む」と言明した。

被爆者代表本村チヨ子さん(87)は「平和への誓い」を読み上げ「残された時間を、命の限り平和を叫び続け、戦争が再び起こらないよう祈り続ける」とした。

原爆がさく裂した午前11時2分に黙とうをささげた。式典には98カ国のほか、台湾や欧州連合(EU)などの代表者らが参列した。

式典後、長崎の被爆者4団体が首相と面会。国の援護区域外で原爆に遭い被爆者と認められていない被爆体験者の3団体も同席する。体験者には昨年同様、発言の機会は設けられていない。

市の原爆死没者名簿への記載総数は20万人を超えている。(共同)