福岡県議会の正副議長ポストに関する金銭授受疑惑を巡り、蔵内勇夫議長が24日、議員辞職すると表明した。25日に東京で全国都道府県議会議長会会長としての職務を果たした後で「県議の職を辞する」とのコメントを出した。自民党県議団幹部は、蔵内氏が22日に「若い議員に迷惑をかける」として辞意を伝えてきたと明らかにした。議会事務局は、蔵内氏から19日に議員辞職願を手渡され、預かっていたと説明した。
蔵内氏はこれまで、9月議会をめどに議長職を辞任する意向を示す一方、疑惑解明に向けた第三者委員会の調査があるとして議員は続投するとしてきたが、方針を一転させた。疑惑の渦中にある議会トップが、関与を否定したまま退く事態となる。第三者委の調査開始は9月以降となる公算が大きく、真相究明が進むかどうかは見通せない。
服部誠太郎知事は「重く大きな決断だが、これで幕引きではない」と述べた。疑惑を告発した元議長の吉松源昭県議は「疑惑の説明責任がなくなるわけではない」と語った。
一連の疑惑は、吉松氏ら複数の正副議長経験者が、就任に際して蔵内氏ら自民県議団幹部に数百万~数千万円を払ったと取材に証言。蔵内氏や、名指しされた中尾正幸前副議長は関与を一貫して否定している。
蔵内氏は7月下旬には、記者団に対し、自身を「日本で一番悪い男と言われている」と評する余裕を見せていた。ところが世論の厳しさが増し、県議会は今月17日、吉松氏が出した議長職の辞職勧告決議案を採決する直前で、蔵内氏の元秘書の自民県議が出した動議を賛成多数で可決。採決が中止されたことで、県議会に批判が殺到した。身内の自民党県議団からも造反の動きが表出し、追い込まれた。
○…自民本部は「福岡の問題だ。口を出したくない」(閣僚経験者)と距離を置いた。「政治とカネ」問題を引きずれば、来春の統一地方選に影響を及ぼすとの見方が出ているが、本部は静観。野党は「辞めても問題の本質が解決されていない」と指摘した。(共同)