環境省は25日、東京電力福島第1原発事故に伴って福島県内の除染で出た土などを、仙台市とさいたま市にある国の出先機関で再利用する方針を示した。政府は最終処分量を減らすため除染土の再利用を進めている。昨年7月以降、東京・永田町の首相官邸や霞が関の中央省庁など都内12カ所で使用しているが都外は初めてとなる。
政府は同日、除染土に関する全閣僚会議を開き、再利用拡大に向けた取り組みや今後の方針を共有。木原稔官房長官は「先行事例の創出に向けた検討を着実に進めてほしい」と述べ、省庁横断で対応するよう指示した。
再利用する場所は、仙台市青葉区の仙台合同庁舎と、さいたま市中央区のさいたま新都心合同庁舎。
仙台市の郡和子市長は同日の記者会見で、首相官邸でも使われているとして「問題ないのではないかと思っている」と述べた。
第1原発周辺の中間貯蔵施設(福島県大熊町、双葉町)には今年7月末時点で約1446万立方メートルが搬入された。法律で2045年3月までに県外で最終処分すると定めているが、候補地の選定は進んでいない。
環境省は除染土を公共工事で再利用する方針を掲げており、地方の出先機関にも活用を広げて国民の理解を得たい考えだ。石原宏高環境相は今年2月、新たな利用先となる出先機関を今秋までに決める意向を示した。25日の閣議後記者会見で、都外で初めて実施する意義について「新たな一歩だ。地方でも安全性を一層理解いただけるようにしたい」と話した。
政府は昨年8月、県外最終処分に関する工程表を策定。再利用で処分量を減らし、30年ごろに処分場の候補地選定を始め、35年をめどに候補地を選ぶとしている。(共同)