【カトマンズ、北京共同】ネパールと中国の国境付近で26日に大規模な洪水や土石流が起き、在ネパール日本大使館は27日、ツアーに参加していたとみられる日本人5人と連絡が取れず、現地当局に捜索・救助を依頼したと明かした。死者は計160人に上り、行方不明者も多数。高市早苗首相は27日、日本人5人の安否情報を在ネパール日本大使館に提供するようX(旧ツイッター)で呼びかけた。日本外務省は5人の性別や年齢を明らかにしていない。
ネパール当局によると、同国での死者は157人。地元メディアは25カ国の403人が行方不明で、うちインド人が最多の133人と報じた。不明者にはネパールの62人や米国の47人、オーストラリアの34人などが含まれている。中国チベット自治区内の聖地へ巡礼に向かう旅行者が多数巻き込まれたとみられる。
中国国営通信新華社によると、中国では3人が死亡、558人が行方不明になった。このうち260人が外国籍だとしている。土石流の被害が出たのはネパールと国境を接するチベット自治区シガツェ市ギロン。香港フェニックステレビは、ネパール側から大量の土砂がギロンの国境検問所に押し寄せ、建物をのみ込む様子を放映。軍や救助隊が救助活動を展開しているが、堆積した土砂に阻まれ、作業が難航しているという。
ネパールメディアは地元当局が原因を特定していないと報じたが、米地質調査所(USGS)は氷河の崩壊と土石流が壊滅的な影響を与えたと指摘した。チベットからネパール中部ラスワ郡に流れるボテコシ川が氾濫して周辺の水力発電所や橋が損壊、多くの家屋が流された。ネパールメディアは、しぶきを上げて濁流が流れる渓谷や茶色い泥が地面を覆う様子を報じた。下流の他の郡でも被害が出た。
茂木敏充外相は海外緊急展開チーム要員の派遣を指示し、2人が近く現地入りして大使館の業務を支援する。高市氏はXで「邦人の皆さまやネパール国民、諸外国の滞在者の状況を案じ、かけがえのない命が守られるよう、ひたすら祈っている」と投稿した。
新華社によると、国境検問所は6月現在で今年の出入国者が累計10万人を突破。ビジネスや観光での往来が増えていた。