鳥取県の大山隠岐国立公園内の大山中腹を走る県道で計39キロの食パンが捨てられ、問題になっている。県は行為者の特定に乗り出し、県警も捜査を開始した。交流サイト(SNS)にはクマと関連づける偽画像も出回る。平井伸治知事は「絶対やめて」と訴えている。
食パンは14~20日、同県伯耆町の県道のガードレール沿いに等間隔に捨てられていた。公園を管理する自然公園財団鳥取支部の祝原幸治主任は「最初に報告を受けたとき、頭の中は『?』だらけだった」と振り返る。
当初、定点カメラを使った動物観察が目的ではないかと考えたが、カメラは見つからなかった。パンのほか、鶏肉1・3キロが捨てられている日もあり、餌やり目的を考えるようになったという。
21日には鳥取市の白兎海岸でも食パンが散乱していた。県によると、大山の食パンとは油脂が異なり、別製品と推定される。いずれも毒物は検出されていない。県が大山の現場に複数の監視カメラを設置し、21日以降投棄は確認されていない。
大山ではクマの餌づけを狙った可能性も指摘されるが、平井知事は26日の定例会見でクマが食べやすい山の奥でなく「道に置く意味が分からない」と首をかしげる。餌づけが目的なら「クマのパン食文化が始まる危険な行為だ」と強調した。
SNSでは生成AIで作ったとみられるクマが食パンを見つめたり、食べたりする偽画像・映像が拡散。県は風評被害を懸念し、プラットフォームへ削除も含めた対応を申し入れる。県警は食パン投棄が、廃棄物処理法違反(不法投棄)や自然公園法違反などにあたる可能性があるとみて捜査している。(共同)