法務省が、仮釈放中の性犯罪加害者に衛星利用測位システム(GPS)機器を所持させる実証実験を2027年度にも始める方針を固めたことが8日、同省への取材で分かった。同省によると、更生意欲の喚起が目的。同意を得られた人のみを対象とし、装着型ではなく所持する形態を想定する。再犯の兆候が見られれば保護観察官が指導するなどして再犯防止につなげる。
23年に閣議決定された「第2次再犯防止推進計画」が、仮釈放者らへのGPS装着について「海外も参考にしつつ、性犯罪者らの処遇の充実策を検討する」としていた。
法務省は今後、実証実験の対象となる具体的な犯罪を絞り込む。保護観察付き執行猶予判決を受けた人も対象に加える可能性がある。再犯防止に一定の効果があると判断されれば、機器所持の義務付けや、対象犯罪の拡大を検討する。
仮釈放者には、保護観察官や保護司の面接に応じ、生活状況や交友関係を正確に申告することなどが求められる。順守事項を守らないと仮釈放が取り消される場合もある。GPS所持には、再犯の兆候を早期に把握し、保護観察官らによる面接指導に役立てる目的もある。
GPSの利用を巡っては、日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告が保釈中に海外逃亡したことを受け、裁判所がGPS機器の装着を命令できる改正刑事訴訟法などが23年に成立。今年7月には、政府がストーカー加害者への端末装着の検討を盛り込んだ緊急対策をまとめている。(共同)