【王位戦】伊藤匠2冠「最後もう少し何か…」ライバル対決に敗れ「ミスター・フルセット」ならず

第6局を制して最終第7局へと望みをつなぎ多伊藤匠2冠(日本将棋連盟提供)

藤井聡太王位(竜王、名人、棋聖、棋王、王将=24)に伊藤匠2冠(叡王、王座=23)が挑戦する将棋の「伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦」7番勝負第6局が8、9の両日、神奈川県秦野市の「元湯陣屋」で行われ、後手の藤井が伊藤を140手で下した。シリーズ対戦成績を4勝2敗とし、7連覇を達成。自身初の3冠を目指した伊藤は2勝4敗でシリーズを終えた。

終局後、伊藤は「複雑な将棋になり、ちょっと読みの精度を欠いた部分もあった。終盤まで難しい局面が続いたので、最後、もう少し何かあったかなと思う」と悔やんだ。

かど番の伊藤は、得意とする相掛かりではなく、角換わり早繰り銀を採用。意表を突く作戦で積極的に仕掛けた。中盤は盤上右側での激しい攻防となり、両者とも長考を重ねた。ともに持ち時間8時間を使い切って1分将棋に突入し、緊迫した攻防が続いた。最終盤、伊藤は相手の猛攻を懸命に受けて逆転を狙ったが、あと1歩届かなかった。

伊藤は勝って、甲府市の「常磐ホテル」で行われる最終第7局につなげたかった。同所では藤井から叡王と王座を奪取。過去4度のタイトル獲得はいずれもフルセットの末につかんでおり、「ミスター・フルセット」の本領を発揮して追いつきたいところだった。

シリーズを振り返り、「2日制の将棋を6局指すことができ、充実感のある時間だった。内容の悪い将棋もあった。全体的に力が足りなかった」と総括した。

伊藤は15日、名古屋市で行われる王座戦5番勝負第2局に臨む。初防衛が懸かるシリーズへ、気持ちを切り替える。