【王位戦】藤井聡太王位が7連覇「難解な将棋を指せて得るものも多いシリーズだった」4勝2敗

立会人の青野照市九段(中央)が藤井聡太王位(右)の封じ手を開いて第6局2日目が再開された(左は挑戦者の伊藤匠2冠、日本将棋連盟提供)

藤井聡太王位(竜王・名人・棋聖・棋王・王将=23)が7連覇を達成した。9日、神奈川県秦野市「元湯陣屋」で行われた将棋の伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦第6局で、挑戦者の伊藤匠叡王・王座(23)を下した。8日午前9時からの2日制で始まった対局は、角換わりから前例のない力戦となった。形勢が二転三転し、双方1分将棋となる激戦は9日午後7時42分、140手で藤井が制し、対戦成績4勝2敗で防衛した。

反撃のチャンスをうかがっていた。最終盤、伊藤玉を追い詰めた。伊藤が厚みを築いて攻勢を新掛けてきたのに対し、応対を余儀なくされる。「攻め合いに持ち込む方針で、勝負する順を見いだせれば」と指し手をつないだ。急所がつかめず、途中では負けを覚悟した局面もあった。粘り強く伊藤玉にプレッシャーをかけ続け、苦闘の末に勝利をつかんだ。

前日検分を行った7日には、「後手番ですし、序、中盤で均衡を保って難解な終盤に持ち込めればと思っています。2日間しっかりと集中して盤上に全力を尽くせればと思っています」と話していた。その言葉どおり、最後にきわどくかわした。

今年のタイトル戦はいきなり厳しい立場に追い込まれた。王将戦で永瀬拓矢九段に1勝3敗、棋王戦で増田康宏八段に1勝2敗と、いきなりダブルかど番に立たされた。そこから逆襲に転じて合わせて5連勝。「ダブル逆転防衛」を果たした。この経験を生かして4月からの名人戦は糸谷哲郎九段に4連勝、6月からの棋聖戦は服部慎一郎七段に3連勝。王位戦でも同学年対決を制した。次は来月からの竜王戦。再度服部の挑戦を受ける。

「本局もそうですけど、終盤までなかなか先が見通せない将棋が多かった。難解な将棋が多かった。そういった将棋を指すことができて、得るものも多いシリーズだったと思います」。今回の経験が今後のタイトル戦に生きてくる。【赤塚辰浩】