【王位戦】今だから話せるV7の藤井聡太王位が開幕前に大長考したこと

7連覇を果たして一夜明け会見に応じた藤井聡太王位

将棋の伊藤園お~いお茶杯第67期王位戦を4勝2敗で防衛し、7連覇を達成した藤井聡太王位(竜王・名人・棋聖・棋王・王将=23)が激闘から一夜明けた10日、記者会見に応じた。

8日午前9時からの2日制で、神奈川・秦野市の元湯陣屋で行われた第6局は、挑戦者で先手の伊藤匠叡王・王座(23)の踏み込みに対し、対応を迫られた。形勢が二転三転し、双方1分将棋となる激戦で、「負けを覚悟した」という藤井が最後に局面をひっくり返して140手の熱戦を制した。

藤井は「大変なシリーズだったが、充実感があった。防衛できたといううれしさが徐々にわいてくるかと思います」と話した。第6局は予想していなかった角換わり早繰り銀で挑まれた。「局面の急所をつかむのが難しく、難しいと思って指していた」とした。

同学年の伊藤とはタイプが異なり、予想しない手が飛んでくるという。シリーズでもそれを実感させられた。「鋭さ、視野の広さは7番勝負を通して感じるところだった」と振り返った。

挑戦者が決まってからは「後手番での戦い方がポイント」としていた。昨年の王座戦で伊藤が先手の場合に、得意戦法としていた相掛かりにうまく対応できなかった。「体系的な理解をより求められていると考えていました」。実際にシリーズで2局相掛かりを指したが、手の組み合わせが広く、その前後で優劣や局面が変わる。「自由度が高い反面、繊細さが求められる」と評した。これも含め、「後手番の戦い方という点で一定の部分で得られたと感じるものがある一方で、予想していない局面での対応力という課題が残ると感じました」と語った。

浜松市から始まった今シリーズ、いきなり驚かされたことがある。今回の対局にあたり、浜松市では実に36品の食事と56品のおやつ、計92品の「勝負フード」を用意した。この「戦型選択」ならぬ、「メニュー選択」に盤外で苦慮させられた。力のこもったおもてなしに選ぶのが難しく、時間を無制限に使ったという藤井は、一夜明け会見で改めて「開幕前から大長考でした」と笑っていた。