東日本大震災は11日、発生から15年半となった。津波や東京電力福島第1原発事故に見舞われた東北の沿岸では遺族が犠牲者をしのび、記憶の継承や災害への備えに思いを新たにした。今も2500人超の行方不明者がおり、手がかりを得ようと福島県富岡町の海岸では県警などが約50人態勢で捜索した。
津波で大きな被害に遭った宮城県名取市閖上地区の東禅寺では、犠牲者の供養が行われた。副住職の三宅俊尚さん(36)は早朝、墓や境内の慰霊像に手を合わせた。住職だった祖父俊昭さん=当時(84)=と祖母らん子さん=当時(77)=を亡くし、今も顔を思い出す。「これからも死と向き合いたい」と真剣な表情で語った。
4月に大規模な山林火災が起きた岩手県大槌町は静かな朝を迎えた。無職倉本公正さん(71)は「高校生らが炊き出しをしてくれた」と震災発生直後を振り返る。火災では避難所で一夜を明かした。支え合う地元の人々への感謝を口にした。
福島県富岡町の捜索現場は第1原発から南に約9キロ。双葉署員らが雨の降る中、とび口で砂や流木をかき分けた。
国の財政支援の打ち切りで、心のケアや見守り事業の縮小が相次ぐ。宮城県気仙沼市の東日本大震災遺構・伝承館では語り部による交流会が開かれた。
警察庁によると、今年9月1日時点で震災の死者は1万5901人、行方不明者は2519人に上る。(共同)