東京電力は、炉心溶融(メルトダウン)した福島第1原発3号機の原子炉格納容器内を超小型ドローンで撮影した映像を基に、最新のデジタル技術を用いて鮮明な3次元(3D)画像を初めて作成した。視点を自由に動かすことができ、内部状況を把握しやすくなる。東電は溶融核燃料(デブリ)を取り出す工法検討に役立てるとしている。
格納容器内は放射線量が高く、人間が立ち入ることができないため、3月にカメラを搭載したドローンで調査した。
東電は計3時間20分の映像に写った炉内構造物の大きさや位置を、無数の点として立体的に表す点群データにした。さらに視覚的に捉えやすくするデジタル技術「3Dガウシアン・スプラッティング(3DGS)」を使って画像処理をした。すると、茶色くさびたようなデブリとみられる堆積物が構造物に付着している様子や、垂れ下がった金属管の腐食具合などが明瞭に見て取れる3D画像に仕上がった。
東電は「空間全体を把握したい場合や、何か対象を探す場合に有効だ」と期待を寄せる。
今回のドローン調査では、原子炉圧力容器の底部に開いた穴が最大3メートルに達していたことや、圧力容器を支える土台「ペデスタル」の壁に長さ約10センチの欠けがあることが分かっている。映像に生じたノイズの量から現場の放射線量を推定した結果、圧力容器底部付近が最も高い毎時約7・5シーベルトで、そこから降下するにつれて線量は下がった。
東電は、3D画像の視点を動かしながら格納容器内を案内する約1分間の動画をホームページで公開している。(共同)