未成年者の選挙運動を禁止する公選法の規定は憲法に違反するとして、高校生ら17~20歳の4人が国を相手取り、損害賠償などを求めた訴訟の判決で、東京地裁は25日、規定を「違憲」と判断した。衣斐瑞穂裁判長は「表現の自由という精神的自由に対する重大な制約だ」と指摘した。国の立法不作為は認めず、請求は退けた。規定は1952年の法改正で導入され、司法判断は初めて。
国は選挙権年齢18歳への引き下げに伴い、若者が主体的に社会参画する「主権者教育」を推進している。判決は「未成年者が自らの価値判断に基づいて選挙運動に参加することを、法令で禁止する実質的根拠は見いだし難い」と言及した。
公選法は18歳未満が選挙運動をすることを禁止し、違反した場合は1年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科され、公民権も停止される。
訴訟で国側は、規定制定当時、未成年者が選挙で人海戦術のため動員されるなどの弊害があり、未成年者保護の目的があったと主張していた。
判決は、こうした目的と表現の自由制約の程度を比較。人海戦術については公選法に詳細な規定があり、未成年者を一律に禁止する必要性は高いとは言えないなどと判断し、罰則規定も「合理性を欠く」として同様に違憲とした。
公選法は、18歳未満を「使用して」選挙運動することも禁じている。この規定に関し、判決は未成年者が意に沿わない選挙運動に従事させられる可能性に言及。保護の観点から一律禁止の必要性が高く、合憲だとした。
その上で、国会で禁止規定の適否に具体的な検討はなかったと判断。規定が表現の自由を侵害することが「明白だったとまでは断じがたい」とし、立法不作為による賠償責任は否定した。(共同)