昨年11月の高市早苗首相の台湾有事に関する国会答弁を巡り、中国の王毅外相が岩屋毅前外相と9月28日に北京で会談した際、あくまでも答弁の「撤回」を求める考えを伝えていたことが8日、分かった。複数の日中関係筋が明らかにした。中国外務省の会談発表文には「是正が必要だ」と書かれ、撤回は明記されなかった。
発表文に「撤回」の文字がなかったことで、中国側の態度が軟化したのではないかとの見方が日本の一部で出ていた。日中関係筋によると、王氏は岩屋氏との会談で「撤回もしくは訂正」が必要だと明言したという。
中国外交筋は「是正」という言葉には撤回も含まれると説明した。発表文に撤回を明記しなかったのは、岩屋氏への配慮だった可能性もある。日本政府関係者は「中国側の高市政権への厳しい対応は基本、変わっていない」と指摘した。
岩屋氏は王氏に対し、高市氏が国会答弁後、台湾に対する日本政府の立場に変更はないとの追加答弁を行ったことを説明したとしている。
岩屋氏は中国との貿易・経済交流の窓口を担う日本国際貿易促進協会(国貿促)会長として代表団を率いて訪中し、王氏や何立峰副首相と会談した。中国指導部は岩屋氏を厚遇する一方、日本政府との正式会談には応じず、日中関係は冷え込んだ状態が続いている。(共同)