王将社長射殺事件で無罪 犯人性「合理的疑い」暴力団幹部に京都地裁

2013年に「餃子の王将」を展開する王将フードサービス社長だった大東隆行さん(当時72)を射殺したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われた特定危険指定暴力団工藤会系組幹部田中幸雄被告(59)の判決公判で、京都地裁(西川篤志裁判長)は16日、無罪を言い渡した。求刑は無期懲役。

西川裁判長は判決理由で、被告が実行犯であることは「合理的な疑い」を差し挟む余地があると判断した。

検察側は現場近くで発見され、被告と一致するDNA型が検出されたたばこの吸い殻などの状況証拠の積み重ねで立証を目指した。弁護側は、白い灰などが見つかっておらず現場で吸われた吸い殻ではないと反論。被告を陥れるために置かれたと主張した。判決は、別の場所から持ち込まれた可能性を否定できないとした。

検察側は、銃の発射で生じる成分「射撃残渣」を検出した盗難バイクや、大東さん宅付近の防犯カメラに体格などが被告と矛盾しない人物が写っていたことを状況証拠として挙げていた。判決は、いずれの状況証拠も被告が実行犯であることの「推認力」が全くないか、弱いと指摘した。

起訴状によると、被告は13年12月19日午前5時45分ごろ、氏名不詳者らと共謀し、京都市山科区の王将フードサービス本社前で大東さんの腹や胸を拳銃で撃ち、失血死させたとしている。(共同)

▽田中幸雄被告 裁判官の判決の言葉に、留飲が下がるとともに、この4年の垢が洗い流された気持ちになりました。それでも犯人と思われた時点で人生が変わるし、失ったものも戻ってきません。検察も人間ですから、間違うこともあります。過ちは過ちとして、勇気を持って振り出しに戻って、過ちを正され、真犯人を追っていただきたい。

▽大東隆行さんの遺族 予期せぬ判決で非常に落胆している。極めて不当な判決で、検察庁には控訴するよう強く申し入れた。