中国系AI、サイバー攻撃に悪用か 金融や物流、数十社が標的 米韓でもサイバー被害相次ぐ

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企業への不正アクセスにより個人情報漏えいが相次ぐ中、サイバー攻撃の一部に中国系の人工知能(AI)のソフトウエアが悪用された可能性があることが20日分かった。民間のセキュリティー会社が確認した。金融や物流など国内の数十社が標的となり、政府は実態調査に乗り出した。

攻撃に使われたのは、指示を与えるだけで自律的に作業をこなす「AIエージェント」。対象のシステムの脆弱性を調べ、広範囲に不正アクセスを仕掛けたもようだ。ただ、攻撃者の素性や攻撃の発信拠点までは特定困難とみられ、全容把握は容易ではなさそうだ。

国内で調査したのはGMOインターネットグループ傘下のセキュリティー会社。外部機関と連携し、日本企業だけを狙った設備を6台特定した。中国系AIエージェント「ARTEX(アルテックス)」が使用されていた。小売りや金融、物流といった業種が狙われ、このうち8社が9、10月に情報漏えいを公表。GMO側は同一グループによる攻撃で複数の被害が出たとみている。

ARTEXは別のセキュリティー会社の調査で、9月末から発生した韓国の複数の金融機関に対する不正アクセスで使われた痕跡も見つかったという。ロイター通信によると、ARTEXの開発者は設計図に当たるオープンソースを非公開に切り替えた。本来は企業のセキュリティーを支援する目的だったが、悪用された形だ。

一方、米セキュリティー企業のノーフォージは今月19日、中国系とみられるAIエージェント「Cairn(ケアン)」により、日本のネット小売業を含め米国、オーストラリアなどの企業が攻撃されたと発表した。中国製AIのDeepSeek(ディープシーク)が使われた疑いもあると指摘した。

木原稔官房長官は、外国の関与を含め「実態解明に努める」と述べた。

◆中国系人工知能(AI) 中国の企業や研究機関などが開発するAI技術やサービス。豊富な人材と政府の巨額支援を背景に、米国を猛追している。インターネット上で公開され、誰でも使える「オープン型」が主流。コストが安いことなどから、利用が急速に広がっているとされる。一方で米国企業のように先端AIの提供先を限定しておらず、利用者による悪用リスクが比較的高いと指摘されている。(共同)