PHP欠陥、影響長期化 AI駆使で「日本語の壁」崩壊 パスキー活用など基本対策の徹底が重要

プログラミング言語「PHP」で重大な欠陥が見つかり、企業がサイトを一時停止するなど世界中に大きな混乱が生じた。セキュリティーサービスを提供する企業幹部は「人工知能(AI)により、サイバー攻撃のハードルが下がっている。脆弱性を突いた攻撃は今後さらに増えるだろう」と警鐘を鳴らす。被害を防ぐため、個人が注意すべき点はあるのか。

ソフトウエアの品質保証やテストを手がける「SHIFT」(東京都港区)の森日出雄セキュリティ事業部長は、24時間AIを駆使してシステムの弱点を探すハッカーを泥棒に例え「企業は脆弱性を認識した上で、侵入は許しても個人情報などの“金庫”を盗まれないよう備えるのが重要になる」と強調する。

不正アクセスによる情報漏えいが続く背景には「日本語の壁」の崩壊があると指摘する。海外のサイバー攻撃者にとって、これまで日本語は攻撃しにくい言語とされ、フィッシングメールの日本語表記に違和感を持ち侵入を防げたケースも多かった。

だがAIによる翻訳機能の向上はこうした状況を変え“日本語神話”を崩壊させたという。森さんは「今後、不正アクセスなど広範囲な攻撃がさらに拡大する可能性がある」と危機感を強める。

自身のデータや財産を守るため、個人は何をすべきなのか。ITジャーナリストの三上洋さんは、今回は企業側の問題で個人が対処しようがないとした上で、パスワードを使い回さない、2段階認証や生体情報を使ったパスキーを活用するといった、基本的な対策の徹底が重要だと強調する。サイバーセキュリティーに詳しいKPMGコンサルティングの澤田智輝パートナーも「疑わしいサイトへのパスワードやクレジットカード番号などの入力は行わないように」と注意を呼びかけた。(共同)