将棋界で女性初の「棋士」が誕生する。西山朋佳白玲(清麗・女流名人・女流王将=31)が26日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で記者会見し、「棋士編入」の権利を行使することを明らかにした。
西山は「棋士編入の資格を行使してフリークラス編入を決めました」と表明。「もっと強い方と戦いたい。上を目指したいという気持ちから、権利を行使することを決めました。来年4月1日付でフリークラス四段として、公式戦に出場する。その一方で、タイトル防衛も含めた女流棋戦にも参加する。
10日に金沢市で行われたヒューリック杯第6期白玲戦7番勝負第5局を制した。これにより通算5期獲得で「クイーン白玲」の称号を得ると同時に、同連盟が昨年6月に新たに設けた「クイーン白玲」の獲得者は「棋士」への資格を得るという条件を満たした。白玲防衛直後及び、その後の公式戦終了時には明言を避け、態度を保留していた。
回答期限は権利獲得から2週間だったが、期限の24日が土曜日に当たるため、同連盟ではこの日までとしていた。
「棋士」を目指し、西山はプロ棋士養成機関「奨励会」に2010年(平22)3月、6級で入会した。目標へは2回手が届きかけた。
1回目は20年3月に最終局を迎えた奨励会三段リーグ。14勝4敗で3人が同星で並んだ。棋士として四段に昇段できるのは2人。順位(大相撲の番付のようなもの)が上だった服部慎一郎現七段、谷合廣紀現五段が昇段し、西山は次点に終わった。同リーグで次点をもう1回取れば権利は発生したが、年齢制限となる26歳を迎えて退会した。
その後は女流棋士に転じ、公式戦で規定の勝ち星、勝率を挙げ、3勝で合格という棋士編入試験5番勝負を受験した。24年9月から毎月1回行われた対局は、2勝3敗で不合格。またしても道は断たれた。
昨年6月、同連盟が女流棋士に門戸を開放した。「白玲」を通算5期獲得し、「クイーン白玲」の永世称号を得たら、「棋士」への権利を与えるという制度を設けた。資格を得た西山は熟慮の末、ついに権利を行使し、新たなステージへと向かう。