暑さ関連死、23年に世界で過去最多71万人 温暖化原因は7割 国際研究チームが発表

暑さに関連する世界の死者が2023年に過去最多の推定約71万人に達し、うち71・5%は地球温暖化が原因だったとの分析結果を、英ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンなどの国際研究チームが28日、英医学誌ランセットに発表した。熱波や干ばつによる健康被害の拡大を受けて温暖化を健康上の緊急事態と位置づけ、世界保健機関(WHO)に新たな対応を求めた。

チームは、16~23年の暑さ関連死は年平均約54万800人で、このうち68%に当たる約36万9900人が温暖化が原因と推測。23年の暑さに関連する推定死者数は、マラリアやエイズウイルス(HIV)感染による死亡者数を上回った。

25年には暑さによる労働生産性の低下で世界経済に約1兆700億ドル(約168兆円)の損失が生じ、うち農業や建設業が67%を占めた。また、同年に世界の陸地の51・8%が1カ月以上の極端な干ばつに見舞われた。16~25年の年平均で世界の陸地の17%ほどが豪雨に遭い、洪水や地滑り、感染症のリスクが増加した。

25年に日本で発生した熱波の日数の71・7%は温暖化の影響を受けていた。21~25年に1歳未満と65歳超が経験した熱波の日数は年平均約25日で、1986年からの20年間と比べ約19日増えた。デング熱を媒介するヒトスジシマカによる感染の広がりやすさは、51~60年と比べ、2016~25年は約3・8倍となった。

チームは、温暖化への対応を健康問題として重視し、国際的に連携して対処するための仕組みをWHOが整備するよう要請。「温暖化による健康被害は増えている。健康は温暖化対策の中心だと考えなければならない」と強調した。(共同)