13歳遺骨、家族の元へ 被爆死81年、名前誤記

広島市は4日、81年前に被爆死し、平和記念公園の原爆供養塔に安置されていた若本敏明さん=当時(13)=の遺骨を妹の三好滋子さん(91)に返還した。今年の供養塔の総点検で名前の誤記が判明し、遺族が明らかになった。誤記判明後、返還は初めて。

三好さんは報道陣に対して「兄の遺骨だと分かった時はうれしかったが、今日は悲しい。もう少し早ければどんなに母が喜んだか」と涙ながらに語った。遺骨はこの日、広島戦災供養会の畑口實会長から手渡された。

三好さんによると、若本さんは1945年8月6日朝、寮を出た後、行方が分からなくなった。同月末、母が市役所に張られた犠牲者の名簿に名前を見つけたという。

市によると、若本さんは現在の中区十日市町で亡くなったとされる。供養塔の名簿には「石本」と記されていたが、遺骨の入った封筒には折り目に「若」の草冠が隠れており、誤記が判明した。

三好さんから「兄かもしれない」と申し出を受け、市は戸籍謄本と名簿を照合、証言を踏まえ、きょうだいと判断した。

供養塔には約7万柱の遺骨が安置されている。総点検の結果、市は氏名や年齢、住所など、計37人分の情報を修正した。氏名が判明しながら引き取り手が見つからない遺骨は812柱となった。(共同)