政府が年末に改定する安全保障関連3文書の1つ国家安保戦略に、核政策の基本方針「非核三原則」の例外を明記する案を検討していることが分かった。民主党政権下の岡田克也外相答弁に沿って、「持ち込ませず」の例外として緊急時に核兵器の持ち込みを認める見解を盛り込む案が有力で、三原則自体の見直しは見送る方向だ。関係者が5日、明らかにした。高市政権の防衛力強化方針を「新型軍国主義」と非難する中国が反発を強める懸念もある。
政府の公式文書に明記することで、従来の国会答弁よりも米国が提供する核抑止力の実効性を高める狙いがあるとみられる。一方、容認の判断基準や日米の意思決定手順、国会報告の手続きなどの明確化も求められる。
緊急時の持ち込みを巡っては、2010年3月の衆院外務委員会で、当時の岡田外相が「核搭載米艦船の一時寄港を認めないと、日本の安全が守れないならば、そのときの政権が命運を懸けて決断をし、国民に説明すべきだ」と答弁した。高市政権も歴代政権に倣って見解を踏襲してきた。
高市早苗首相は今年10月の衆院予算委員会で、3文書改定の検討に当たって「表現ぶりをどうするか。米国の拡大抑止と、岡田外相答弁については検討の余地がある」と言及した。小泉進次郎防衛相も11月に入り「さまざまな制約がある中でも、現時点で最善の改定にしたい」と含みを持たせている。
一方、茂木敏充外相は10月の衆院安保委員会で岡田外相答弁に関し「3文書に書き込むことによってどう変わるか。対外的な見られ方も含めてよく検討する必要がある」と述べた。日米間では既に拡大抑止に関する閣僚会合の枠組みやガイドラインを定めている。
具体的な記述ぶりは10日にも始まる与党実務者協議でも論点になる公算が大きい。三原則見直しに前向きな日本維新の会に対し、自民党には慎重論が根強い。関係者は「三原則自体は触らず、岡田外相答弁を例外として記述するのが落としどころになる」との認識を示した。(共同)