安倍晋三首相は14日の参院TPP特別委員会で、今年9月の訪米時に、トランプ米次期大統領の側近と面会していたことを初めて明かした上で、当時の水面下での外交戦略を「アヒルの水かき」に例えた。首相は当時、大統領選で優位だったヒラリー・クリントン氏と面会したが、トランプ氏には会わなかった。民進党議員に「間が悪い」と指摘された首相は、「我々はトランプ氏陣営の有力者と会った」と述べ、トランプ氏から「遊説でお目にかかれず残念だ」というメッセージを受け取っていたことも、明かした。

 首相は、外交を「水の上を泳ぐアヒル」に例え、「アヒルが水の下で水をかく水かきの部分は、なかなか見えない。そんな水かきの結果が、電話会談や17日の会談につながった。それが外交ではないか」と豪語。一方で、TPP発効が「大変厳しい状況になってきたことは認識している」と認め、17日のトランプ氏との会談で、発効に理解を求める考えを強調した。