民進党の蓮舫代表は7日、東京都渋谷区で街頭演説し、「我々は反対だけ(という対応)はしない。協力できることは協力するが、残念ながら今の政権は野党の声に耳を傾けようとしていない」と述べ、安倍晋三首相の政治姿勢を批判した。

 蓮舫氏は、9日の参院予算委員会集中審議で、首相と相対する予定。学校法人「森友学園」の国有地格安取得問題についても触れ、「特定の人だけ、総理の友達だけが、総理夫人の知人だけが、国有地を9割ディスカウントで払い下げを受けた」と指摘。「そんなことはないというなら、安倍昭恵さんは堂々と、会見をすべきだ。国会で説明をしていただきたいが、ずっと避けられ続けている」と述べ、首相や昭恵夫人の対応にも疑問を投げかけた。

 この日は、7月の都議選を意識した演説でもあった。蓮舫氏は、同党の渋谷区の候補者が区議出身であることに触れ「実績がある人でないと、議会で都知事とどう向き合うのか、どう質問するのか(分からない)。今から都政とは何か勉強しているひまは、これから4年間ありません。すぐ仕事ができる人を選んでほしい」と訴えた。

 築地市場の豊洲移転をめぐり都議会で百条委員会が開かれたことにも触れ、「なぜ今まで開かれなかったのか。与党が守っていたからじゃないですか」と指摘。「古い古い政治が、古い古い自民党が、これまで知事を守り、知事の言うことを聞き、そのことで陳情を聞かせる。もたれ合いの政治が行われていた」と述べ、「この間、数がある自民党や公明党にいた政治家は、自分たちができなかった仕事をわびるところから始めるべきだ」と、対決姿勢を示した。

 ただ同党では、都議選の公認予定者の離党が相次ぎ、当初予定の36人のうち、14人が離党届を出す異常事態。蓮舫氏に先立って演説した公認予定者は「たとえ議会の中で(民進党が)少数派になろうとも、きちんと筋を通したい」と、複雑な思いを訴えた。