「私が代表に就任してまだ1カ月だが、党勢は回復していない。もし、もっと支持率が高く、独自の力で選挙を乗り越えられるのなら、こういう選択はしなくてよかった」。

 民進党の前原誠司代表は30日、党本部で開いた全国幹事会であいさつし、「希望の党」との交渉の経緯を説明した上で、希望への「合流」を目指すことを決断せざるを得なかった胸の内と、厳しい党勢事情を明かし、決定に理解を求めた。

 また、一両日中に今回の問題について方向性の結論を出す構えを示した。

 前原氏は、「(合流には)基本的理念、政策の一致が極めて大事」とした上で、「衆院選は小選挙区なので、自公は候補者を1人にしぼって戦いを挑んでくる。野党がバラバラでは相手を利するだけで、どう1対1の構図に持ち込むかが大事だ」と強調した。

 また「安倍政権を倒す」「もう1度政権交代可能な2大政党制をつくる」と目的を述べた上で、「民進党が大きく議席を減らしてしまうなら、『名を捨てて実を取る』で、皆さんに国会に(当選して)戻ってもらいたい。名前は変わるかもしれないが、最善の考えられる方策として、提示させていただいた」と訴えた。

 一部で報道された自由党との合併は、「検討すらしたことない」と否定。さらに今回、「希望」の小池百合子代表(東京都知事)が、民進党議員の中で、希望の基本的理念に合致しない場合は公認せず、「排除」すると明言したことについて、「私自身、どうなっているかは存じないが、真摯(しんし)な議論をしていただいている」と述べるにとどめた。

 10月10日公示まで、約10日間しかないのに、衆院選の体制が定まらず、地方関係者からは悲鳴が上がっている。それを踏まえ、前原氏は「皆さんに不安を与え、疑心暗鬼を増長させていることは理解している」と陳謝し、「一刻も早く公認を発表したい」と述べた。