「NHKから国民を守る党」の立花孝志代表は30日、国会内で会見し、無所属の渡辺喜美参院議員と参院の新会派「みんなの党」を結成すると発表した。渡辺氏に入党を要請したが断られ、会派での共闘となった。

NHKへのスクランブル放送という1点を主張して、参院選で初の議席を得た立花氏だが、渡辺氏との会派結成に当たって「(NHK問題という)単一の争点だけではなく、政策全般に広げていく必要性を考えている」と、明かした。今後、スクランブル放送というワンイシュー主義からの「転換」となる可能性にも、含みを残した。

立花氏は「正直、心が揺らいでいる。ワンイシューには限界がある」「直接民主主義をこのまま貫くのか、みんなの党のアジェンダをもとに、党の綱領や政策をつくり、訴えていく方がいいのか。正直悩んでいる」と述べた。来月、党の総会を開く予定であることを明かし、その際にも、支援者に相談したいとの意向を示した。

参院選で当選後、党の主張を変えることへの影響について問われると「党としての目的は、直接民主主義ではなく、NHKの被害者がいなくなることだ。それを達成するために、みんなの党のアジェンダを使うことが近道ではないのか、それで悩んでいる」と述べ「政治は難しい」と本音も漏らした。

渡辺氏との協議が「途中では1度、破断になりかけた」とも明かしたが「今日が(会派届提出の)タイムリミットだった。会派を組むメリットは、希望する委員会に入れる可能性がある。お互いの目標のためにも(渡辺氏の)入党でなくても、会派結成はプラスになる」と、双方の思惑を背景に、会派結成を急いだ理由を説明。「私は選挙に強いと自負しているが、政治には弱い。政治に強い渡辺さんと選挙に強い私がコラボレーションして、政治を変えていきたい」と話した。