前立腺の病気といえば、ことに中高年男性には悩みの種。それでいて前立腺の構造や働き、病気の原因、治療など知られていないことも多いのが実情です。

 
 

日本大学医学部泌尿器科学系主任教授の高橋悟氏(59)が、前立腺肥大症、前立腺がん、ED(勃起障害)などについて、わかりやすく説明します。


連載一覧

(1)肛門から指入れ触知、硬さ痛みなど判断

(2)前立腺には排尿と生殖、2つの役割

(3)排尿時か、ためている時にトラブル

(4)患者数増加の背景に3つの要因

(5)就寝中2回以上尿意あれば「夜間頻尿」も

(6)遺伝リスク3・5倍「肥大症」

(7)「QOLスコア」で症状を点数化

(8)症状似たがんの有無は必ず確認

(9)頻尿や排尿困難は前立腺肥大により起こる

(10)「肛門&尿道括約筋」体操

(11)交感神経からの指令をブロックし排尿促す

(12)副作用少ない5α還元酵素阻害薬

(13)手術の4分の3は経尿道的前立腺切除術

(14)巨大な前立腺肥大でも治療は可能

(15)勃起障害ほぼないPVP手術

(16)合併症あれば「ステント留置」

(17)十数年かけて大きくなる前立腺がん

(18)肥満を抱えている人には「がん」のリスク

(19)現れづらい症状 がん進行いつ気づけるか

(20)がんの進行度を示す「TNM分類」

(21)ダミコ分類・前立腺がん3段階リスク分け

(22)前立腺がん、治療行わず経過観察する療法

(23)EDを防ぐ「神経温存手術」

(24)放射線療法 がん細胞のDNAを断片化

(25)転移がんにも有効なホルモン療法

(26)がんの根治率高いが再発に注意

(27)男性ホルモンなしでもがん細胞が成長

(28)がん細胞を死滅させる「ドセタキセル」

(29)「排尿日記」をつけてみる

(30)骨盤底筋体操と膀胱訓練で尿失禁対策

(31)がん治療中は適度な運動が副作用軽減

(32)日本人に傾向強い「勃起障がい」

(33)EDの重症度をはかる5つの質問

(34)「薬剤」でEDもたらす副作用も

(35)「EDは絶対いや!」なら放射線治療

(36)ED治療薬3種「ここぞ!」はシアリス

(最終回)LOH症候群のホルモン補充剤はない


◆高橋悟(たかはし・さとる)1961年(昭36)1月26日生まれ。日本大学医学部泌尿器科学系主任教授。85年群馬大学医学部卒。虎の門病院、都立駒込病院などを経て05年(平17)から現職。東大医学部泌尿器科助教授時代の03年、天皇(現上皇)陛下の前立腺がん手術を担当する医療チームの一員となる。趣味は釣り(千葉・飯岡沖の70センチ、3キロ超のヒラメが釣果自慢)と登山、仏像鑑賞。主な著書に「ウルトラ図解 前立腺の病気」(法研)「よくわかる前立腺の病気」(岩波アクティブ新書)「あきらめないで! 尿失禁はこうして治す」(こう書房)など。