安倍晋三首相が緊急事態宣言に関して開いた7日夜の記者会見は、1時間を超え、この問題での会見(2月29日、3月14日、同28日)の中で、最長だった。

2月29日の会見で「まだ質問があります」と訴えながら、進行役が質問を打ち切ったため指名されなかったジャーナリスト江川紹子さんは、この日「江川さん」と名前を呼ばれ、指名を受けた。

一方、この日の会見も質問が続く中「次の日程」を理由に会見を閉じようとした司会役の長谷川栄一首相補佐官兼内閣広報官に、指名を求める声が相次いだ。首相も質問を受ける姿勢をみせたことから、外国メディア、日本の報道陣が指名を受けたが、それでも挙手はやまなかった。

最終的に、長谷川内閣広報官は「質問を書面でください」と述べ、その質問を首相に渡して答えると記者に異例の提案。「物理的に今日は閉じさせていただきたい」と述べ、会見は終了。首相が次に向かった「次の日程」とは、NHKの報道番組出演だった。その後、テレビ東京の番組にも出演した。

内閣広報官が会見の場で、指名されなかった記者に、首相への質問を書面で渡すよう求めるのは、極めて珍しい。2月29日の「会見打ち切り」の余波は、今も続いているようだ。