東京8区で11回連続の当選を目指す自民党の石原伸晃元幹事長は公示19日の第一声で「口撃」を受けた。

マイクを握った瞬間、最前列の歩道から「何もやってないじゃないか!」と、絶叫して批判を繰り返した女性がいたため、演説を中断。石原氏は女性が退散した後に「今回の選挙は、今おられた女性の言動を見ても少しおかしいなと思われた、と思います。杉並区で10回、選挙をさせていただきました。演説が始まる前に文句をつけられたのは今日が初めてです」と苦笑した。

その上で野党共闘を批判した。「共産党と立民党(立憲民主党)が野合をして自民党、公明党の保守中道の政権に刃を突きつけた。これが今回の選挙の基本的な構造」と解説し、「そうしますと、先ほどの女性のように相いれないものは排除、邪魔をする。そういうことが当たり前だと思っている人たちが一緒になって政権だけを取ろうと思ってやってきた」とした。

石原氏の牙城である同選挙区は、れいわ新選組の山本太郎代表が、出馬表明した直後に撤回した。最終的に立憲民主党の新人吉田晴美氏が野党統一候補に落ち着いたが、ドタバタ劇で注目度がアップ。日本維新の会の新人笠谷圭司氏も出馬しており、激戦の様相だ。

前回2017年の衆院選では吉田氏が、石原氏に約2万3000票差と迫る健闘で、この時に出馬した共産党候補と得票を合計すれば、石原氏に約1100票差まで肉薄する計算で「楽な戦いにはならない。最後まで油断できない」と石原陣営は危機感をあらわにした。