将棋の最年少5冠、藤井聡太王将(竜王・王位・叡王・棋聖=20)が羽生善治九段(52)の挑戦を受ける、第72期ALSOK杯王将戦7番勝負第3局が28、29の両日、金沢市の「金沢東急ホテル」で行われる。

第2局に羽生が逆襲の1勝をもぎとり、1勝1敗のタイで迎える「金沢決戦」。初防衛、5冠堅持を目指す藤井がリードを奪うのか。前人未到のタイトル獲得通算100期を狙う羽生が連勝するのか。世代を超えたスターが初めてタイトルを争う歴史的な一戦の第3Rが始まる。

雪が降る中、27日に金沢入りした羽生は「雪景色は金沢らしいなと思った」。金沢での対局は初めてとなる藤井は「子どものころ、家族旅行で来たことがあり、十数年ぶりぐらい。雪景色? 北陸に来たんだな」と語った。

両者は対局会場となる同ホテルの和室宴会場「友禅」での前日検分後、意気込みを語った。羽生は「第3局は後手番なので、なかなか主導権を取るのは難しい。自分なりに一生懸命、指して、白熱した対局がつくれるようにしたい」。先手番では21連勝中の藤井は「改めて5番勝負という形になる。気持ちの面では新たに頑張っていきたい」。その後、両対局者は金沢市内で開催された前夜祭に臨んだ。【松浦隆司】