高市早苗経済安全保障担当相は15日の参院予算委員会で、放送法の「政治的公平」をめぐる総務省の行政文書に関する自身の説明内容について、立憲民主党の杉尾秀哉氏に「根拠がない」などと指摘され、一時「答弁拒否」を宣言をするひと幕があった。「私の答弁が信用できないなら、質問をなさらないでください」と不快感を示し、自席に戻った。

杉尾氏は、高市氏が当初、文書について「捏造(ねつぞう)」と述べた発言が、変わってきていると指摘。「大臣の発言を証明するものはまったくない。総務省には文書が残っていて、その文書に沿う答弁をしているが、高市大臣が言っていることは全く根拠がない中で、ずるずる変わっていっている」「全く信用できません。あなたの答弁は」と指摘した。

これを受け高市氏は、不機嫌そうな声色で「私が信用できないならもう質問はなさらないでください」と発言。杉尾氏は「いやいや、この問題の発端は、最初に小西議員が示した内容について(高市氏が)捏造と言い切ったことだ。これが事実なら大臣どころか議員を辞めると。なんで今になって答弁拒否をするのか」と批判した。

これに対し、高市氏は答弁に立った。「答弁をしても私の発言を信用できないとおっしゃったからでございます」とした上で「捏造と申し上げたのは、ありもしないことをあったかのように書くのは捏造だと感じたので、そう申し上げた」と反論した。

杉尾氏は、納得できない様子で「ありもしないことではない。裏付けるものが出てきている」と、述べた上で、先日発表された共同通信の世論調査で、高市氏の説明について「納得できない」とする回答が73%だったことに触れ「一般国民に通じていない。あなたは説明責任を果たしていない」と、あらためて指摘した。

これに対し、高市氏は「御党の議員に質問をされた時も、ひとつずつ説明させてほしいと申し上げたが、結構ですと、拒絶された。説明をしようとするとさえぎられる。これまで1つ1つについて国会の場で説明をさせていただくことはできなかった」と釈明。説明をする機会が十分になかったと主張した。