東京五輪バス輸送に課題、車いす乗降2分に短縮提言

東京五輪開会式を想定したバス輸送テストで、アクセシブル対応バスから車いすで降りる元セーリングパラリンピアンの須藤正和さん

東京オリンピック・パラリンピックの開会式の選手輸送を想定した交通実証テストが25日、都内で行われた。

中央区晴海に建設中の選手村から、新宿区の新国立競技場周辺までの約20キロのルートを75台の大型バスが走行し、首都高、一般道それぞれの交通規制や所要時間などが確認された。

おおむね順調に終了したバス輸送テストだが、車いす対応型バスの乗降などでは、時間がかかりすぎるなどの課題も残った。

6台の車いすを乗せることができるアクセシブル対応バスに乗った元セーリングのパラリンピアン、須藤正和さんは、アトランタ、シドニー、アテネの3大会に出場した経験を踏まえ「今日は乗車に1人5分かかったが、少なくとも2分で済むように改善できる」と提言。1人をリフトアップしている間に別の人の車いすをロックするなど同時進行で行えば時間短縮できるとし「今日のテストは来年にいかせると思う」と話した。

車いすラグビーでアテネ五輪に出場した福井正浩さんも「乗り降りがもう少しスムーズにできると選手もストレスが少なくなる」。また「昼間の移動などでは、日よけのスペースも必要と感じた」という。