熊谷市「ラグビーロード」徒歩での会場行きも一興

ラグビーロード脇に置かれた、熊谷ラグビー場までの残りの距離を示した案内(撮影・村上幸将)

ラグビーW杯開幕まであと3日と迫った。開催地の1つ、埼玉県熊谷市は、熊谷ラグビー場がJR熊谷駅から約3・5キロ離れるなど「アクセスの悪さ」が指摘されてきたが、市は埼玉県警をはじめ各所と調整を続け、シャトルバスをはじめとしたアクセス網を構築。本番初戦となる24日のロシア-サモア戦と同じ午後7時15分キックオフだった日本-南アフリカ戦(5日)では、2万2258人の観衆で満員となったが、交通トラブルはなかった。本番に向け、準備は万全だ。

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熊谷市は交通を整備する一方で、観客に熊谷ラグビー場まで歩くことを支援策として勧めている。6日の南ア戦当日は、「ラグビータウン熊谷」の新行動指針として5月に発表した「スクマム! クマガヤ」のシンボルマークをモチーフに、ラグビーロード周辺の飲食店などを紹介したマップを熊谷駅前で配布した。

3・5キロの道のりは約1時間というので、午後3時過ぎから歩いてみた。気温33度の中、15分歩くと汗まみれになったが、ボランティアから各所で「頑張って」と励まされ元気になった。残り2キロ地点の「約100kcal消費! え、そんだけ…?」や残り900メートル地点の「ラグビー選手は1試合で約6km走るらしい」など各所の“小ネタ表示板”も楽しめた。途中にはトイレと救護施設もある。英語とイラスト付きの案内は、海外の観客にも分かりやすいだろう。

島村室長は15年のイングランド大会を視察した際、マンチェスターの駅で「競技場まで40分」という案内を見て熊谷でも徒歩はありと判断。J2長崎が諫早駅からスタジアムまでの約2キロを「V・ファーレンロード」として観客に徒歩を勧める現状も視察。得たアイデアを込めて作り上げたラグビーロードには「ラグビーとともに歩み、輝いていく熊谷市でありたい」という思いが込められている。

40代半ばの記者が機材を背負い、取材して歩いても1時間で到着。一汗かいてからの観戦もアリだろう。【村上幸将】