香港で警察がデモ隊に初めて狙撃、高2男子重体

香港の抗議デモで警官隊の発砲した実弾に撃たれて負傷したとみられる男性(中央)(香港大学学生会キャンパスTVのフェイスブックから)

中国が建国70周年を迎えた1日、中国本土に容疑者を引き渡せるようにする「逃亡犯条例改正案」をめぐる抗議行動が激化する香港で、警官がデモ隊に向けて拳銃を発射した。

香港の複数メディアによると、銃弾はデモ活動に参加していたとみられる男性の左胸に当たった。男性は重体で病院に搬送されたという。一連の抗議行動で、警官が銃でデモ活動参加者を撃ったのは初めてだという。

地元メディアの立場新聞は1日、電子版で、古くからの観光エリア・ツェンワン地区の川竜街で午後4時ごろ、警官がデモ隊に向けて至近距離から拳銃を発射したと報じた。香港大学学生会キャンパスTVのフェイスブックには、当時の動画もアップされた。動画には、警官が右腕をパイプのようなもので殴られながらも、拳銃の銃口が男性の胸に触れるくらいの至近距離で発砲し、男性が崩れ落ちるように倒れる様子が映っていた。立場新聞によると、男性は地元の公立高に通う2年生の曽志健さんで、重体だと報じた。

また蘋果日報の電子版によると、銃弾は曽志健さんの心臓から3センチ離れたところに当たり、左肺が破裂して肺気胸を起こしており、カテーテルを挿入し、肺にたまった空気を抜く措置が施されたと報じた。

香港の英語ニュースサイト「香港フリープレス」は、撃たれた男性が「左胸が痛い」と訴えた後、意識を失い病院に緊急搬送されたと報じた。そして、香港警察が報道各社に対して、警官がデモ隊の男性を銃で撃ったことを認めたとも報じた。

香港の医療管理局は午後5時までに、15人の負傷者が各病院に搬送されたと発表した。