村上春樹氏ノーベル文学賞逃す 高校同級生もため息

村上春樹氏(2018年11月4日撮影)

スウェーデン・アカデミーは10日、見送りになった18年と、19年のノーベル文学賞を発表、有力候補の1人とされていた村上春樹氏(70)は受賞を逃した。

村上氏の母校兵庫県立神戸高校(神戸市灘区)では、同窓会幹部、在校生徒ら約20人が同窓会館に集合。インターネット中継を見ながら発表を待った。午後8時過ぎ、2人の受賞者の名前が読み上げられると、大きなため息が漏れた。

同級生の女性(70)は「今年こそと思っていたが…」。同校に関係者らが集まり、吉報を待つようになったのは昨年を除き14度目。世良田重人校長(60)は「今年は2年分の受賞者の発表だったので、大いに期待していましたが…」と残念そうに話した。村上氏は同校の新聞委員会で委員長(編集長)を務めていた。自宅で朗報を待った新聞委員会の同期の矢野日出子さん(70)は「来年、再来年に夢は持ち越しです」と話した。

○…母校の西宮市立香櫨園小学校でもこの日、6年1組時代のクラスメートや教職員ら約30人が集まり、吉報を待ったが、また届かなかった。稲森義浩校長(56)は「また来年…つらい」。今年は今週末に予定していた運動会と、その予行演習が休校の危機で、準備があわただしい中、発表の瞬間を待った。村上さんと小学時代、田んぼでよく遊んだという級友男性らと発表を聞き「5年前から(祝福の)垂れ幕も準備しているんですが、今年も…」と肩を落としていた。