紀伊国屋書店に「ハルキスト」号外用意も日の目見ず

ノーベル文学賞受賞を逃し、うなだれる村上春樹ファンら(撮影・近藤由美子)

スウェーデン・アカデミーは10日、見送りになった18年と、19年のノーベル文学賞を発表、有力候補の1人とされていた村上春樹氏(70)は受賞を逃した。

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受賞の瞬間を見守ろうと、東京・紀伊国屋書店新宿本店には、村上氏ファン「ハルキスト」が約20人集まった。

同書店では受賞を伝える号外100部を用意。「ハルキスト」とともに受賞の瞬間を待ち構えていたが、村上氏が受賞を逃し、号外は残念ながら日の目を見なかった。

同店によると、受賞発表がなかった昨年を除き、13年から毎年号外を用意しているという。担当者は「ぜひ受賞していただきたかったですし、残念です」と肩を落としながらも「こうやって文学に注目が集まるのはありがたい話。次回に期待します。来年も号外は用意するつもりです」と前向きに語った。

村上氏が受賞を逃した瞬間、「ハルキスト」もガックリとうなだれた。受賞を祝うお手製のボードを用意していた東京都の増井孝充さん(51)は「今年こそはと確信していたので、かなりショックです。来年は東京五輪もありますし、ぜひ先生の笑顔も見たい」と話した。大学生の息子と来店した東京都の会社員前田匠さん(47)は「受賞するんじゃないかと思っていたので残念です。次こそは」と来年の受賞を期待した。村上作品をすべて読んでいるという。作品の魅力について「リズム良く読めて、ストーリーにいつの間にか引き込まれてしまう」と話した。