芦ノ湖あふれる、台風19号で降雨量史上最高を記録

台風19号の降雨で芦ノ湖湖尻のボート桟橋も飲み込まれた。階段と小屋の間には湖畔を巡るウッドボードがあったが沈んでしまった

1日における降雨量で神奈川・箱根町が12日に記録した922・5ミリと48時間で1001ミリが観測史上最高を記録し、芦ノ湖からあふれた湖水の影響で観光地各所に影響が出そうだ。

秋の名所、仙石原すすき草原は、遊歩道が流されて立ち入れなくなった。10月中旬~11月末が見ごろだが、今年は猛暑もあって、今月5、6日には散策する観光客でいっぱいだった。

また、小田原からつながる箱根登山鉄道も再開めどが立たず、周遊バスや自家用車も通行止めが多く、芦ノ湖周辺に近寄れない。湖面が高すぎて名物の海賊船も「当面運休」となる。

芦ノ湖の治水管理をする神奈川県小田原土木センターによると、気象台の発表した降雨予測から10日から放水を開始。台風19号に備えたが「予測を上回る降雨量で放水が間に合わなかった」。現在、湖尻水門から早川に毎秒20トンを流しているが「水が引くまでに2~3日というレベルではない」としている。

箱根町観光課では「大涌谷の噴火レベルも7日に引き下げられたばかりで、大涌谷への観光ルートをつくろうとしていた矢先。まずは順調に水が引くことを祈っている」と話した。