小池知事が他競技への波及否定「2競技以外ないと」

定例会見に出席した東京都の小池百合子知事は身ぶり手ぶりで記者の質問に答える(撮影・佐藤勝亮)

東京都の小池百合子知事が18日、都庁で定例記者会見に出席し、五輪マラソン・競歩について東京から札幌への会場変更が決定的になったことを受けて、「驚いている」「アスリートファースト」と何度も繰り返し、「怒りはいくらでも出せるが、それよりも東京大会を成功させたい思いの方が強い」と、前日の北方領土開催発言とは打って変わり冷静に話した。

また小池氏は、15日に大会組織委の武藤敏郎事務総長から初めて札幌開催案を説明された際、費用は「国が持つ」と伝えられたと明らかにした。同時に「森喜朗会長が(橋本聖子)五輪担当大臣や、特定の都議、北海道とも話をしていると伺った」とも述べた。

翌16日には森会長と直接面会、IOC調整委員会のジョン・コーツ委員長とも電話で札幌変更案を聞いたが「前日に知ったので、YES・NOは言えない」と話した。

準備を進めるさなかに蚊帳の外に置かれたような形になったが、「私に原因を聞かれても、お答えのしようがない」と困惑し、事前に一切連絡がなかった森会長には「どうして私に電話をくださらなかったのですかと申し上げました」と明かした。

橋本五輪相がこの日、今後他の競技についても開催地変更の意見が出てくるとの見方を示した事に対しては「その発言があったことや、背景はわからないが、事務総長からは2つの競技以外はないと聞いている」と否定した。【佐藤勝亮】