藤井七段はタイミングいい攻め光る/加藤一二三の目

羽生善治九段を下した藤井聡太七段(右)

将棋の最年少プロ、藤井聡太七段(17)が21日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた第69期大阪王将杯王将戦挑戦者決定リーグで、羽生善治九段(49)を下した。

【加藤一二三・九段の目】

藤井さんにとって、羽生さんとの対局は「試金石の一戦」だと思っていました。いいところばかり目立って、強敵に圧勝しました。タイミングのいい攻めが光りました。一見、ぼやけた感じで打たれた1筋の金が、「目を見張るような、ごつい手」で有利になりました。この評価は高いです。

ここまで3勝1敗ですか。最後に広瀬竜王という難関が待ち構えていますが、羽生さんを倒したことで、挑戦権獲得が現実味を帯びてきました。白星が先行して、理想的な展開です。これから先は緊張せず、のびのびと戦えると思います。(加藤一二三)