「饗宴の儀」チャールズ皇太子らを和食でおもてなし

天皇陛下と皇后さまは22日夜、即位の礼に伴う祝宴「饗宴(きょうえん)の儀」に出席、英国のチャールズ皇太子ら海外の賓客約400人をおもてなしした。

陛下はえんび服、皇后さまは歴代皇后に受け継がれるティアラを飾り、首元を豪華なフリルであしらったロングドレス。両陛下とも英語がご堪能で、隣席のブルネイのボルキア国王、スウェーデンのグスタフ国王と笑顔で会話を交わした。

料理は平成の代替わり時を踏襲し、和食中心。大手ホテルチェーン、プリンスホテルが担当した。「日本の山海の食材を味わってほしい」(宮内庁幹部)という方針のもと、タイやマツタケ、牛肉などの高級食材も使われた。平成の饗宴の儀でも出されたカスゴダイの姿焼きのほか、アワビの塩蒸し、伊勢エビやマツタケ入りの吸い物などに加え、和食に慣れていない賓客のため、牛肉アスパラガス巻きなどの洋風料理も。菊の御紋が入ったフォークやスプーンが添えられた。

一方、イスラム教徒や菜食主義者に向けた料理も別に用意。イスラム教徒の参列者には、戒律に従って食肉を処理した「ハラル」方式の料理を準備。菜食主義の参列者には、牛肉を湯葉に変えたアスパラガス巻きを提供するなど、食の多様性を意識した工夫が凝らされた。引き出物には、皇室定番の菓子器「ボンボニエール」が用意された。

宴(うたげ)に先立ち、「高御座(たかみくら)」を見物する場も設けられ、賓客がスマートフォンで記念撮影する様子も。午後7時20分に始まった宴(うたげ)は、予定を約30分超えて午後11時20分ごろまで続いた。長い1日を終えた両陛下は笑顔をみせながら、車で皇居を後にした。